2009/2/8 日曜日

エリー・グリーンウィッチとエキサイターズ特集

オールディーズポップス愛好家のお正月のお楽しみ、大滝詠一さんと山下達郎さんのラジオプログラム「新春放談」。
今年は久々に番組本来の味、2人のポップス談義が多く聞けて良かったなあ。

今年2人が主に話題にしていたのが、エリー・グリーンウィッチ。
夫のジェフ・バリーとのコンビで数々のアメリカンポップスの名曲を作った偉大なソングライターです。
“ダ・ドゥー・ロンロン”。”ビー・マイ・ベイビー”。”リーダー・オブ・ザ・パック”。”チャペル・オブ・ラヴ”。
“アイ・キャン・ヒア・ミュージック”。”ドゥー・ワ・ディディ”。”ハンキー・パンキー”。
これ、みーんな彼女の作です。スゴイでしょ?

こんな名曲たくさん作ってるのに”同期”のゴフィン&キングとかマン&ワイルとかに比べて
あまり語られる事が少なくてちょっと不満だったので今年の「新春放談」はとても嬉しかった訳です。

で、そんな気分で当店でもエリー・グリーンウィッチ特集をちょっとやってみようかと思ったのです。
数は少ないですけどヒトツお付き合い下さいませ。

  THE RAINDROPS / S.T. [USED LP/US] 2100円
  THE RAINDROPS / S.T. [USED LP/US] 2100円
    ジェフ・バリー&エリー・グリニッチを中心としたトリオ唯一作。
    もともとはガイド用のデモテープとして録音されたものだったそう。
    エリーのガッツのあるヴォーカルも最高ですがバックの演奏も滅茶苦茶かっこいい!
    特にドラム!ズッダカズッダカ・ドカッドカッ!って。
    これはやっぱりハル・ブレインのプレイなんでしょうか。
    [audio:http://coconutsdisk.com/kichijoji/wp-content/uploads/2009/02/0207.mp3]

  ELLIE GREENWICH / LET IT BE WRITTEN,LET IT BE SUNG... [USED LP/US] 2310円
  ELLIE GREENWICH / LET IT BE WRITTEN,LET IT BE SUNG… [USED LP/US] 2310円
    ’73年、シンガーソングライタームーヴメントの中発表された2ndソロ作。
    キャロル・キング「つづれおり」、バリー・マン「レイ・イット・オール・アウト」と並ぶ
    ブリルビルディング系作家の自演盤の名盤。
    [audio:http://coconutsdisk.com/kichijoji/wp-content/uploads/2009/02/0207_2.mp3]

  ORIGINAL BROADWAY CAST / LEADER OF THE PACK [USED 2LPs/US] 1260円
  ORIGINAL BROADWAY CAST / LEADER OF THE PACK [USED 2LPs/US] 1260円
    ゴールデンポップス時代のエリーの歩みを題材にしたミュージカルのオリジナルキャスト盤。
    エリー本人やダーレン・ラヴも参加しています。
    ”Be My Baby”、”Hanky Panky”、”Leader Of The Pack”、”Baby I Love You”、
    ”Da Doo Ron Ron”、”Maybe I Know”などなどエリー作のおなじみの名曲の数々が
    次々に出てきて楽しい。

  THE SHANGRI-LAS / THE LEADER OF THE PACK [USED 7/US] 1890円
  THE SHANGRI-LAS / THE LEADER OF THE PACK [USED 7″/US] 1890円
    ご存知、シャングリラスの代表曲。説明不要のイカす名曲です。
    なので豆知識を。
    スチャダラパー”ブギーバック”でさ、「ルカーと叫んでドカドカいって」ってあるでしょ、
    あの「ルカー」って、この曲の”Look Out! Look Out!”て叫ぶとこの事なんだってよ。
    [audio:http://coconutsdisk.com/kichijoji/wp-content/uploads/2009/02/0207_8.mp3]

  THE DIXIE CUPS / GIRLS CAN TELL [USED 7/US] 1470円
  THE DIXIE CUPS / GIRLS CAN TELL [USED 7″/US] 1470円
    B面の”People Say”共にジェフ&エリー作。
    明らかにファーストヒットの”Chapel Of Love”の2匹目のドジョウを狙った曲
    ですが、僕はこっちの方がなんか好きです。
  
  LES GAM'S / IL A LE TRUC [USED EP/EU] 2100円
  LES GAM’S / IL A LE TRUC [USED EP/EU] 2100円
    60sフレンチ・ガールグループの4曲いりEP。
    全曲アメリカのガールグループ名曲の仏語カヴァー、というナイスな1枚。
    エリー・グリニッチ作の”He’s Got The Power”と”Why Do Lovers Break
    -Each Other’s Hearts?”の他、”Don’t Say Nothin’ Bad About Baby”、
    ”South Street”がフランス語で歌われています。
    [audio:http://coconutsdisk.com/kichijoji/wp-content/uploads/2009/02/0207_4.mp3]

エリー・グリニッチお気に入りのシンガーだったというブレンダ・リード率いるガールグループ、
ザ・エキサイターズのLPもあわせてご紹介しましょう。

  THE EXCITERS / TELL HIM [USED LP/US] 4880円
  THE EXCITERS / TELL HIM [USED LP/US] 4880円
    リーバー&ストーラーprd.によるガールグループ名盤1st。
    もうとにかくリードヴォーカルのブレンダ嬢のパンチ効きまくりの歌声が最高。
    これで当時17歳とかなんだからスゴイですね。
    エリー・グリニッチ曲”He’s Got The Power”収録。
  
  
  THE EXCITERS / S.T. [USED LP/US] 3150円
  THE EXCITERS / S.T. [USED LP/US] 3150円
    ’66年リリース2nd。
    時代的にもうノーザン・ソウルの音作りになっていて、これは60sソウル好きも唸る
    であろう傑作です。
    ※ジャケット下部裂けあり・安めです。
    [audio:http://coconutsdisk.com/kichijoji/wp-content/uploads/2009/02/0207_5.mp3]  

  THE EXCITERS / CAVIAR AND CHITLINS [USED LP/US] 3150円
  THE EXCITERS / CAVIAR AND CHITLINS [USED LP/US] 3150円
    RCAに移籍しての3rdにしてラストアルバム(’69年)。
    完全にソウルミュージックのオトになったバックにブレンダの胸をすくパワフルヴォイスが
    乗る、グレイト・ガーリー・ソウル・アルバム。
    ジャクソン・ファイヴとかキッズソウル~ヤングソウル好きにもオススメです。
    [audio:http://coconutsdisk.com/kichijoji/wp-content/uploads/2009/02/0207_7.mp3]

※ココナッツディスク吉祥寺店ではガールグループものやブリルビルディングメイドのゴールデン・オールディーズ・ポップスのレコード、CDの買取をお待ちしております。
是非お持ちくださいませ。

Filed under: 入荷[used],特集 , — coconutsdisk kichijoji @ 13:05:22

2007/2/24 土曜日

アド・サム・ミュージック・トゥ・ユア・デイ

僕が行ったこともないくせにずっと憧れ続けているお店というのが
四谷にあったロック喫茶「ディスクチャート」と
南青山にあった輸入レコード店「パイドパイパー・ハウス」。

どちらも僕がその存在を知った時には残念ながら既にありませんでした。
でもそこで流れていた/売られていたであろうレコードを、
行った事も見た事もないお店の雰囲気を思い描きながら聴くのは
とても楽しいものです。

という訳で本日は僕の思う「ディスクチャート」や「パイドパイパーハウス」を
感じさせるレコード、を特集してみます。

  5thavenueband.jpg
  THE FIFTH AVENUE BAND “S/T” [LP/US] 6090円
    まずはやっぱりこれから始めるのがスジってもんでしょう。
    若きピーター・ゴールウェイを中心とした6人のナイス・フォークスによる
    60年代末のニューヨークの街角の音楽。永遠の名盤です。
    ジャケットから伝わるこの雰囲気!ここに全てが集約されている気がします。
    USオリジナル・カットアウトなど無しの状態良好盤が入荷しました。

  thecity.jpg
  THE CITY “NOW THAT EVERYTHING’S BEEN SAID” [LP/US] 3990円
    『つづれおり』以前のキャロル・キングを中心としたトリオ唯一のアルバム。
    それこそディスクチャートの頃は知る人ぞ知る「幻の名盤」だったはずですが、
    いまではもう定番ですよね。
    キャロル・キングは黄金期のアメリカンポップスを支えた大物ソングライターだった訳
    だけど、こんなアマチュアリズムを感じるレコードを作っちゃったのが素晴らしいよなぁ。
    きっと吉祥寺芽瑠璃堂で売られていたであろうこのモノクロジャケ版を吉祥寺ココナッツ
    で買う、というのもなかなかオツでしょう?

  kootch.jpg
  DANNY KORTCHMAR “KOOTCH” [LP/US] 5040円
    ↑のシティの真ん中の伊達男。
    JTとのフライングマシーンに始まり、シティ→ジョー・ママ→セクション、
    と渡り歩いた粋でイナセなギタリストの傑作1stソロアルバム。
    ソウルミュージックの影響を受けた白人SSWのレコードの最高峰です。
    ナットキングコールの歌で知られるスタンダード”For Sentimental Reasons”を
    こんなグルーヴィにアレンジするなんて!

  gerrygoffinit.jpg
  GERRY GOFFIN “IT AIN’T EXACTLY ENTERTAINMENT” [LP/US] 7350円
    ご存知キャロル・キングとのコンビで黄金のアメリカンポップスを支えた
    偉大な作詞家の自演盤(’73年リリース)
    ボブ・ディランに耽溺していたという激渋な味のあるヴォーカルを堪能できる
    スワンプロック裏名盤&レア盤です。
    もちろんUSアデルファイ・オリジナル盤での入荷です。

  laurathefirstsongs.jpg
  LAURA NYRO “THE FIRST SONGS” [LP/US] 3990円
    今更何の説明も要らない記念すべきファーストアルバム!!
    これも60年代末のニューヨークの街角の音楽。

  addsomemusic.jpg
  ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY [LP/JPN] 5040円
    若き山下達郎とそのポップス狂仲間たちの1972年の夏の記録。
    ディスクチャート常連客だった達郎さんが長門さんにこれをプレゼントして、
    ディスクチャートのスピーカーからビーチボーイズのカヴァー”WENDY”のイントロ
    が流れたときに全ては始まった!

  sugarbabesongselec.jpg
  シュガーベイブ “SONGS” [LP/JPN] 5250円
    ロック喫茶・ディスクチャート周辺の音楽的嗜好を形にした結果がこの日本ポップ史
    にさん然と輝く超名盤、という風に捉えてみてもいいでしょうか。
    全てが完璧、何千回と聴いても全く飽きることが無い、最高に”ロック”なアルバム。
    「当時レコード店頭に並んでるの見たこと無い」と達郎さんがボヤいていらした(笑)
    エレック・オリジナル盤での入荷。

  severinbrowne.jpg
  SEVERIN BROWNE “S/T” [LP/US] 2625円
    あのジャクスン・ブラウンの弟のファーストアルバム。
    兄以上にこちらを評価する、というのが僕の思い描くパイドパイパーハウス派
    リスナー、という感じです。
    フリーソウルシーンでも大人気だったとんでもなくカッコいいグルーヴィ・フォーキー
    ”STAY”収録です。

  oklahomatoad.jpg
  DAVE FRISHBERG “OKLAHOMA TOAD” [LP/US] 10290円
    ポップとジャズの中間に位置するような作品の良さについてよく知っている
    のが僕の思い描くパイドな音楽愛好家、という感じ。
    例えばボブ・ドロウやブロッサム・ディアリー、そして本作。
    説明不要の大人気アイテム、ヴェリー・レアーなUSオリジナルにて奇跡の入荷です!!

  markmurphy2.jpg
  MARK MURPHY “MARK ” [LP/US] 2625円
    個性派ジャズシンガーの74年作のこれなんかもそんな”パイドな”一枚。
    JTやローラ・ニーロなどジャズ色の濃い洗練されたSSWモノの流れで
    評価できる傑作です。

  couples.jpg
  ピチカート・ファイヴ “カップルズ” [LP/JPN] 6300円
    ディスクチャートが生んだ名盤がシュガーベイブ『SONGS』なら、
    パイドパイパーハウスが生んだ名盤はこれでしょう!
    ジョンセバスチャンの素敵なカヴァー(日本語詞は長門芳郎さんによるもの)
    でスタートする、ロジャー・ニコルスとバカラック&デヴィッドと筒美京平とブライアン・
    ウィルソンと細野晴臣とニール・ヤングと大瀧詠一とニール・ヘフティとミシェル・
    ルグランと村井邦彦への愛情がぎっしり詰まった永遠の名盤。
    
    このアルバムを発表した頃のピチカートや小西さんの事についてもっともっと知りたい
    とずっと思い続けてるんです。例えばライヴ映像などは残ってないんでしょうか。
    アーティスト写真ですらあまり多くを見たことが無いです。
    いつの日かソニー時代のフライヤーとかアートワークを集大成した本が出ることを期待
    しています、小西さん!
 
* * *
ココナッツディスク吉祥寺店もパイドみたいな店になるといいなぁ。

※ココナッツディスク吉祥寺店ではフィフィスアヴェニューバンドやピーターゴールウェイなどパイド系SSWものレコード、CD高価買取いたします!ぜひご利用ください!!

Filed under: 入荷[used],特集 — coconutsdisk kichijoji @ 13:27:56

2006/4/22 土曜日

60’sアメリカ東海岸ドリーミィ・ポップ特集

本日入荷の中古LPから、僕の最も愛する音楽のひとつ、
<60’sアメリカ東海岸ドリーミィ・ポップ>関連をちょっぴり特集してみました。

  redbird bluecat.jpg
   TRADEWINDS etc. “THE RED BIRD/BLUE CAT STORY” [LP] ¥3990
    素晴らしい国内編集2枚組レーベル・アンソロジー。
    これでトレイドウィンズのLP未収録の傑作シングル群が全て聴けちゃうのが嬉しい。

  videls.jpg
   THE VIDELS “A LETTER FROM ~” [LP] ¥1575
    アンダース&ポンシアのファースト・ステップ。60年代初頭の
    アメリカ東海岸ポップシーンのトレンド、ホワイトドゥーワップ・スタイル
    でのスタートは必然でした。US東海岸ドリーミィポップの源流はここに(も)あり。

  innocence jpn.jpg
   INNOCENCE “INNOCENCE” [LP] ¥2310
    トレイドウィンズを経て、アンダース&ポンシアが産んだUS東海岸ドリーミィポップ
    の頂点的名盤。僕の「死んだら棺桶」な一枚。

  dino.jpg
   DEAN MARTIN “DINO” [LP] ¥2310
    アンダース&ポンシアのペンになる”WHAT’S YESTERDAY”収録、という事で
    ポップスファンには有名の一枚。他の曲も良くてBJトーマスとかあのラインの
    男の甘さと苦さが詰まったヴォーカル名盤です。

  lou christie.jpg
   LOU CHRISTIE “LOU CHRISTIE” [LP] ¥2100
    A&Pやフォーシーズンズ~ボブ・クリューらと並んでホワイトドゥーワップ発
    ソフトロック着なUS東海岸ポップ史を体現していたシンガー。
    独特のウラ声を堪能できるファーストアルバム。

Filed under: 入荷[used],特集 — coconutsdisk kichijoji @ 19:31:05

2004/4/24 土曜日

素晴らしきUS東海岸ポップの世界

全国3000万人のUS東海岸ポップ愛好家の皆様、御機嫌いかがですか。
皆様におかれましては、先日放送された山下達郎さんのFM番組「サンデー・ソングブック」のアンダース&ポンシア特集は勿論聴かれたかと存じます。
いやもう、最高でしたねー。5月に放送予定のパート2も楽しみですね。
と、いう訳であの放送にすっかりあてられちゃったんで当店でもアンダース&ポンシア特集、組んでみました。A&Pだけじゃなく、広く東海岸産ドリーミ−ポップ特集て感じでセレクトしてみました。
innocents.jpg
THE INNOCENCE
“S/T” [US LP |KLPS-8059(KAMA SUTRA)]
¥3800 (tax in.¥3990) 状態(盤/ジャケ):A-/A-SOLD OUT!
まずはやっぱこれから。
とにかくこれだけは聴いてなきゃ始まらない!”There’s Got Be The Word”!”All I Ask”!”Whence I Make Thee Mine”!ああああ、ホント最高!!!!
US ORG. STEREO。

tradewinds.jpg
THE TRADEWINDS
“EXCURSIONS” [US LP |KLPS-8057(KAMA SUTRA)]
¥3800 (tax in.¥3990) 状態(盤/ジャケ):A/A-SOLD OUT!
イノセンスのアルバムよりもちょっとだけ先にリリースされた、これまた超・ウルトラ大名盤!!
“New York’s A Lonely Town”はこれに収録されています。
US ORG. STEREO。

andersponcia.jpg
ANDERS&PONCIA
“THE ANDERS&PONCIA ALBUM” [US LP |WS-1778(WARNER)]
¥2000 (tax in.¥2100) 状態(盤/ジャケ):A-/B(CUT OUT)
カマストラを離れ、リチャード・ペリーと’マップ・シティ’というプロダクションを設立し、
発表されたデュオ名義では唯一となるアルバム。
けっこう黒っぽい曲や、まんま二ルソン!な曲など多彩な内容の好盤です。

red birdblue cat story.jpg
V.A.
“THE RED BIRD/BLUE CAT STORY” [JPN LP |PLP-323/4(P-VINE)]
¥3000 (tax in.¥3150) 状態(盤/ジャケ):A/A:WITH OBISOLD OUT!
日本独自の素晴らしいコンピレーション。
この2枚組でトレイドウィンズのLP未収録の5曲をすべて聴く事が出来ます。

ap rareties.jpg
V.A.
“ANDERS’N’PONCIA RARETIES” [JPN LP |VIP-6830(ビクター)]
¥2200 (tax in.¥2310) 状態(盤/ジャケ):A-/AB
こちらも日本独自の素晴らしいコンピレーション。
イノセンスのLP未収のシングルやアンダースのソロシングル、他アーティスト提供曲などがまとめて聴ける「日本人でよかった!」な一枚。

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BOBBY VEE
“JUST TODAY” [US LP |LST-7554(LIBERTY)]
¥2200 (tax in.¥2310) 状態(盤/ジャケ):A-/BSOLD OUT!
これは以前達郎さんがラジオでオンエアされていたレコード。
A&P作”Sunrise Highway”のカヴァー収録盤。

さて、ここら辺で先ほどから勝手に連発している「アメリカ東海岸ポップ」についてちょっと説明いたします。
1)ラスベガス的ショウビズを父とし、
2)主にイタリア系移民によって形成されたホワイト・ドゥーワップを母として、
生まれた音楽で、
3)すぐ上の兄にブリルビルディング系黄金のアメリカンオールディーズを、
4)双子の弟にラスカルズをはじめとするブルーアイド・ソウルを持つ。
5)同級生でありライバルは西海岸サンシャインポップである。
6)’64年のフォー・シーズンズの”Dawn”辺りで形作られ始め、イノセンス(’67)あたりで完成をみたサウンド━洗練されたコード進行にひたすらドリーミィなメロディ、金管楽器をうまく使用した煌びやかなアレンジ、まさにそれまでのアメリカンポップスを凝縮したようなミラクルな音楽━を持つ。
7)同じUS東海岸産とはいえ、スパンキー&アワ・ギャングらのモダンフォークからの派生組や、カセネッツ=カッツのバブルガムサウンドとは似てるようでいて一線を画す。

なんて、要点は色まで変えてがんばってみました。(参考書じゃないんだから、、、)
まあ、これは個人的に「勝手に」言ってるだけなんであまり他では通用しないと思いますが、、、。
でも明らかに「東海岸の音」ってのがある気がするんですけれどね。

ではこれからはA&P以外のそんな「音」を紹介していきましょう。

critters.jpg
THE CRITTERS
“YOUNGER GIRL” [US LP |KL-1485(KAPP)]
¥2000 (tax in.¥2100) 状態(盤/ジャケ):B-/B
イノセンスのアルバム中、ひと際光り輝いている超名曲”All I Ask”の作者ドン・シコーネ率いるクリッターズのファースト・アルバム。
シコーネは本作でグループを去り、’70年代に入ってからはフォー・シーズンズのメンバーとなる、まさにUS東海岸ポップのキー・マンの一人。
全体的に当時のトレンドであったフォークロックサウンドですが、洒落た曲調はさすがに東海岸産といったところ。シコーネ抜きのセカンドがソフトロックファンに評価が高いですが、僕は断然こっちの方が好みです。みなさんはどうです?

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GARY LEWIS & THE PLAYBOYS
“EVERYBODY LOVES A CLOWN” [US LP |LST-7428(LIBERTY)]
¥2400 (tax in.¥3520) 状態(盤/ジャケ):A/B(CUT OUT)SOLD OUT!
ゲイリィ・ルイスとプレイボーイズはどのアルバムも2,3曲はイイ曲が入ってるからどれもチェックすべきなんですが、そのなかでも本作は最高傑作といっていいほど佳曲多し、の一枚。
タイトル曲は大滝師匠の「君天」のネタ(のひとつ)としても知られている名曲だし、”We’ll Work Out”は達郎さんの東海岸ポップオマージュ曲”土曜日の恋人達”に多大なる影響を与えた逸品、とナイアガラー〜山達フリークにもお薦めでございます。
制作は東海岸ポップ・キーマンの一人、スナッフ・ギャレット。あのブライアン・ハイランドをソフトロック化させたのも彼だし、前述のボビー・ヴィーも彼のプロダクションによるものです。

lou christie.jpg
LOU CHRISTIE
“I’M GONNA MAKE YOU MINE” [US LP |BDS 5052(LIBERTY)]
¥1500 (tax in.¥1575) 状態(盤/ジャケ):AB/B(CUT OUT)
60年初頭にフォー・シーズンズスタイルでデビューし、70年代中盤まで活躍した長いキャリアの持ち主。彼のサウンドの変遷はUS東海岸ポップの歴史そのものと言っていいでしょう。
’68年リリースの本作にはアンダース&ポンシア作”Down When It’s Up-Up When It’s Down”が収録されています。

この他にも、みんな大好きソルト・ウォーター・タフィ、ジェリィ・ロス関係、チャーリィ・カレロやリンツァー&ランデルなどボブ・クリュー周辺のスタッフ達、ケニー・ラグーナのバブルガム・ノット・バブルガムな世界、ト−ケンズとハプニングス、そしてフォー・シーズンズ!などなど紹介できなかったものもたくさんありますが、この続きはまたいつか必ず。

Filed under: 特集 — coconutsdisk kichijoji @ 15:39:56

2004/4/12 月曜日

パイドパイパーで春キブン

ぽかぽかした日が続くこの頃皆様いかがお過ごしでしょうか。
こんな季節にはパイドパイパーでディスクチャートでヴィレッヂグリーンなグリニッヂヴィレッジ周辺のサウンドは如何でしょうか。
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OHIO KNOCKS
“S/T” [US LP |RS 6435(RIPRISE)]
¥3500 (tax in.¥3675) 状態(盤/ジャケ):A/B(CUT OUT)SOLD OUT!
まずジャケからしてウララカな、これから。
フィフス・アヴェニュー・バンドのピーター・ゴールウェイが結成したバンド
の唯一枚のアルバム。冒頭を飾る”Takin’ It Easy”は永遠の名曲。
ぽかぽかした日ざしを浴びて、何回もリピートして聴きたい大名作です。

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PETER GALLWAY
“ON THE BANDSTAND” [JPN LP |VS 1003(VIVID SOUND)]
¥2700 (tax in.¥2835) 状態(盤/ジャケ):A/ASOLD OUT!
セカンド・ソロ・アルバム。
2年前の来日公演では客席からのリクエストに応えてプレイしてくれた名曲
“Sunday Basketball”収録。
何とリリース当時、国内オンリーのリリースでした(泣)。
こんなにいい音楽、なんで本国では無視されてるんだろう。

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JOHN SEBASTIAN
“JOHN B. SEBASTIAN” [US LP |SE-4654(MGM)]
¥3800 (tax in.¥3990) 状態(盤/ジャケ):A/ASOLD OUT!
グリニッジヴィレッジ・サウンドといえばこの人は絶対外せません。
みんな大好きな人気曲”Magical Connection”収録の1stソロアルバム。
これ以上ないくらいピカピカな超美品での入荷です!

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JOHN SEBASTIAN
“REAL LIVE” [US LP |MS 2036(REPRISE)]
¥2200 (tax in.¥2310) 状態(盤/ジャケ):A/ASOLD OUT!
個人的に一番愛おしいアルバムですし、セバスチャンの良さを一番とらえている傑作ライヴ盤。
セバスチャン未体験の人はこれから聴いて欲しいですね。
ギターとハーモニカでロックンロールを、フォークを、戦前ジャズを、カントリーを、ブルースを
行ったり来たりブレンドしてみせたり。こんなミュージシャン他にいないよ!
それに観客の拍手があったかい!ほんと、いいライヴ盤。

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JORGE CALDERON
“CITY MUSIC” [US LP |BS 2904(WARNER)]
¥3800 (tax in.¥3990) 状態(盤/ジャケ):A/B
セバスチャンフリークの皆様におすすめしたい一枚。
セバスチャン・ライクなハートウォーミングなサウンドにカーティス・メイフィールド的
ニュー・ソウルスパイスをまぶした逸品。
ブルーアイドソウル/AORファンにも推薦。

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AZTEC TWO STEP
“S/T” [US LP |EKS-75031(ELEKTRA)]
¥2500 (tax in.¥2625) 状態(盤/ジャケ):A/ASOLD OUT!
MFQのジェリィ・イエスターのプロデュースによる、そのスジでは有名な名作。
ほのぼのした中にも青臭い、刹那さを孕んだ曲・歌声が素晴らしい。
USオリジナル・美品!

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JAMES TAYLOR & THE FLYING MACHINE
“S/T” [US LP |EST-2(EUPHORIA)]
¥2000 (tax in.¥2100) 状態(盤/ジャケ):A/ASOLD OUT!
西海岸にわたって成功するJ.T.とダニー・コーチマーの2人も若き日はヴィレッヂで
セバスチャンやピーターらと、しのぎをけずっていました。
このアルバムはその当時にレコーディングされた音源をもとに後年リリースされたもの。
J.T.のアップルから発表された1stで再演されているものがほとんどですが、D.クーチの持つ
ソウル感が注入されたミクスチャー感はまぎれもなくあの時代のヴィレッヂの感覚。
“Knocking ‘round The Zoo”には美味なブレイクあり。
これ使ったヒップホップのトラック、誰か創らないかな。

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JO MAMA
“O SOLE MIO” [US LP |SD 8269(ATLANTIC)]
¥3000 (tax in.¥3150) 状態(盤/ジャケ):A/B(CUT)SOLD OUT!
西海岸にわたったクーチが、キャロル・キングとのシティを経て結成したのがこのバンド。
数年前フリーなんたらでもてはやした方々が飽きた為、グッとお求め安い価格になり嬉しい限り。
こんな全曲最高のアルバム一曲しか聴かないなんてもったいないですよ。

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JO MAMA
“J IS FOR JUMP” [US LP |SD 8288(ATLANTIC)]
¥2400 (tax in.¥2520) 状態(盤/ジャケ):A/B(CUT)SOLD OUT!
こちらはセカンド。やっぱり全曲最高!
一曲目”Keep On Truckin'”から来た来たーって心躍る!
紅一点アビゲイル・ヘイネスのソウルフルだけど愛らしいヴォーカルがもおすんばらしいなあ。

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BAT McGRATH & DON POTTER
“INTRODUCING” [US LP |BN 26499(EPIC)]
¥4300 (tax in.¥4515) 状態(盤/ジャケ):A/BSOLD OUT!
フィフス・アヴェニュ−・バンドやオハイオ・ノックス等の<あの感じ>を求めていくと
みんな辿り着くアルバム。
フォークとジャズが日溜まりの中でブレンドされた最高にピースフルな一枚。
まさに今の季節にぴったりな音です。

georgestreet.jpg
GEPRGE STREET
“LIVING ON DAYDREAMS” [HAWAII LP |GGS 3227(GEORGE STREET)]
¥6800 (tax in.¥7140) 状態(盤/ジャケ):A/ASOLD OUT!
最後はちょっと番外。
『モンドミュージック』にて紹介されて知れ渡った韓国系ハワイアンによるアコースティックポップの逸品。同書ではネオアコを引き合いに語られておりましたが、(それも頷けるんですが)僕はあのバンキー&ジェイクを思い出さずにいられませんでした。
今回紹介したような音がお好きでしたら絶対気に入ると思います。是非!

Filed under: 特集 — coconutsdisk kichijoji @ 15:44:23
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