今週の日曜日のファンジン/ミニコミ放出セール作業ルームから。パート5。
セール品うちあけ話第5夜。ついに最終回!(てかセールはまだ始まってませんからね皆さん!これからですからね皆さん!終わった気にならないでくださいね皆さん!!)
昨日までの超レアなzineの連続に自分自身もちょっとコワくなってきてしまってたので最終日の今日はいつもの当店ブログのゆるい雰囲気で90年代~2000年代のzineをご紹介します。(とはいえ思い入れ度は個人的に今回が一番、です)
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※本日紹介のレコードの価格等についてのお問い合わせや、電話・メールでのお取り置き、通信販売は6/20以降の受付とさせてください。
大変申し訳ございません!何卒、ご理解・ご協力お願いいたします。
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POP-IND’S Vol.7 No.8 [USED ZINE/JPN]
『ポップインズ』をzineと呼ぶには少々無理がある気もしますが、僕はこれ以前の版型の小さかった頃の号を足しげく通っていた某中古レコ屋で発見してその存在を知ったし(しかも『フォーエヴァー・マガジン』や『UP-BEAT』、阿木譲さんの『ROCK MAGAZINE』なんかと一緒に陳列されていた)まあいいかなと。
これは版が大きめサイズになって仕切り直し・ちょいメジャーになった後の8号目、ピチカート・ファイヴ特集号です(’91年刊行)。
「東京一、クールなストーリーをはじめよう。」という書き出しで始まるピチカート・ファイヴ・ヒストリーや小西&高浪の手掛けた作詞作曲編曲仕事のリスト、彼らが好きなものを100個並べた「PIZZICATO FIVE ANYTHING TOP 100」などなどこれ以上に充実していたピチカート特集は後にも先にも無かったな、と思わせる傑作号となっています。
そして実はこの1冊が90年代の中古レコード・カルチャーに与えた影響はとてつもなくデカくて。伝説の1冊、という捉えられ方もしているんですが、それは何故かというとこのピチカート巻頭特集内にて「小西康陽&高浪敬太郎2人の音楽人生に深い深い爪痕を残したレコード200枚」と題した企画が実に6ページにもわたって掲載されていたからです。とにかくこんなにたくさんのレコードジャケットを一度に見たのってこれが初めて、って感じでこれで人生が狂った人は多いです(もちろん僕もその一人です)。
SUBURBIA SUITE;ESPECIAL SWEET REPRISE 19921121 [USED ZINE/JPN]
’92年11月21日渋谷クラブクアトロでのイヴェント会場にて販売された(後にWAVEやHMV、リブロなどで一般販売)サバービア認定ディスクガイド本1冊目。
イージーリスニングと映画音楽とウェストコースト・ジャズとラテン音楽。90年代のレコード好きの若者たちは、ここに掲載された見た事も聴いた事もないレコードの連続にクラクラ・モヤモヤ・ワナワナしていたものです。
『POP-IND’S』誌でのピチカートの200枚の衝撃の余韻をさらに増殖させたような存在だったのがこのサバービア・スイートだったような気がします。
小西さんをはじめ、小山田圭吾、高橋健太郎、二見祐志のコラムもレコードレコードレコード。
SUBURBIA SUITE;WELCOME TO FREE SOUL GENERATION 19940409 [USED ZINE/JPN]
’94年リリースのサバービア本2冊目。
キャッチーでメロウなソウル・ミュージックの再解釈=フリーソウルの始まり。後半のブラジルものやダブやムーグものに特化したページなどは来るべきブラジル音楽ブームやモンドミュージック的流れの萌芽をも感じさせます。
SUBURBIA SUITE SUBURBAN CLASSICS 19960214 [USED ZINE/JPN]
’96年3冊目では今につながる”レアグルーヴ感”を決定付けたセレクション。そして後半はヒップホップ!そう、90年代中期以降の渋谷はヒップホップの黄金時代でした。
で、ちょうど真ん中のページは除川哲朗さんによるティンパン~和モノセレクション。後のシティポップDiggin’の先駆。
SUBURBIA SUITE;INTRODUCTION TO FUTURE LISTENING [USED ZINE/JPN]
あまり紹介される事が少ないですがサバービア本の1冊目と2冊目の間の’93年の夏には実はこの小冊子がリリースされていました。
2冊目のサバービア本からフリーソウル部分を抜き取った、つまり後半の元祖ブラジル~モンド的要素で構成された早すぎた1冊。僕はこの号の小西さんのコラムでアルゾという知られざるシンガーソングライターの存在を知りました。
米国音楽 Vol.2 1994 [USED ZINE/JPN]
レイト80sから続くネオアコ~インディーポップの流れもまだまだ健在で、『英国音楽』のスピリットを受け継いだトランペットトランペットレコーズ、現BIG LOVEの仲真史さん編集の『MARY PALM』、立教大学のサークルzine『PADDY’S CREW』、インディーmeetsサバービアなあの時代ならではの歪感が最高だった『PENSE A MOI』などなど手書き+ワープロzineを経てこのDTP制作による復活版『英国音楽』=『米国音楽』が’93年に登場します。
DTPとはいえまだ素朴な造りだった初期の号が僕は好きで、中でもこのVol.2が一番のお気に入りです。
巻頭の初来日時パステルズのカラー写真にまずノックアウト!東京の夜の街に佇むスティーヴン・パステル!
その他ヴェルヴェットクラッシュとBUS STOPレーベル特集などなど資料性も高い優れた記事掲載。
POPSY ROCK! 03 [USED ZINE/JPN]
洗練されたデザインの紙面になっていた中期以降の『米国音楽』の影響下のリトルマガジンの中で最も有名で完成度が高かったと思われるのが京都を拠点として発行していた『POPSY ROCK!』。
毎号毎号、7インチサイズの外カヴァー(7インチEPのジャケットと同じ)から一回り小さい冊子が出てくる、という非常に凝った造りでした。
ロケットシップの<中の人>=ダスティンに日本で初めてインタビューしたのはこの『POPPSY ROCK!』でした。
FINGER POPPIN VOL.2 [USED ZINE/JPN]
この時期のzineで個人的に一番好きだったのは渋谷ZESTの店員さんとして有名だった梶本聡さんによる『フィンガーポッピン』。
可愛すぎず、お洒落すぎない良い塩梅の紙面とデザインが最高でした。(デザインド・バイ、バカボンドシネマポップスオーケストラの岡田崇氏!)
長門芳郎さんによる夏の午後のための音楽のページ「SONGS FOR DAYDREAMERS」と和田博巳さんインタビュー「和田珈琲店本日開店」は何度読み返したことだろう。他にもダンヒックス特集、ダニーウィルソン特集、Dr.ロバート(ブロウ・モンキーズ)特集など超充実。
余談ですがこの『FINGAER POPPIN』感覚(のようなもの)を現代に甦らせていてめちゃくちゃ感動したのが『音盤時代』という雑誌。次号が待ち遠しい、大好きな雑誌です。
ヨ・ラ・テンゴ マップ map special issue#1 spring 2004 [USED ZINE/JPN]
『フィンガーポッピン』が持っていた「可愛すぎず、お洒落すぎない良い塩梅」の趣味の良さ?みたいなテイストはレイト90s~2000年代には下北沢の空気になっていった、気がします。そんな2000s下北な音楽zineの代表が『map』かなーと。
で、『map』の最高傑作だと思っているのがこの増刊号『ヨラテンゴmap』!一冊まるごとヨ・ラ・テンゴ!こんなzineはきっと世界でも唯一ではないでしょうか。
キングジョー / うわさのガレージパンクチャンネル [USED ZINE/JPN]
5回にわたってやってきましたzine特集、大ラス、しんがりを務めるのは僕の大好きなキングジョーさん!!
ジョーさんが発行していたガレージパンクzine(ガレーzine)『SOFT,HELL!』は90年代後半~2000年代初頭の音楽系zineを代表するもののひとつなのは間違いないでしょう。
これはそんな『SOFT,HELL!』の臨時増刊号として出された(2000年10月刊行)60sガレージパンクの金字塔オムニバスシリーズ『PEBBLES』全28枚を総て紹介する、アツくてナケる1冊!
『SOFT,HELL!』といえば去年の4月にかなり久しぶりの新作がジョーさんの出演したイベント会場にて配布されました。
これを僕はジョーさんにお会いした際に「お友達にあげて!」といって数部戴くという幸運に恵まれまして。ほぼ友人などに配ってしまったんですが1冊だけ何かの時の為にとっておいたんですね。で、ついにその時が来た!!と思った訳です。そう、このzineセールにて上記『うわさのガレージパンクチャンネル』をお買い上げいただいた方に差し上げます!ノー・イラスト、ノー・フォト、のびっっしり文字だけの死ぬほど面白いジョーさんワールド炸裂の最高の1冊なのでお楽しみに。
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という訳で実に5回にもわたってしつこくご紹介してきました魅惑のzineの世界。
ウェブ上だけでは伝わらない紙の良さ、という物もあると思います。
19日日曜日はぜひぜひ店頭まで、実際にページをめくりにお越しくださいませ!!
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