セプテンバーズ気分でロックンロール
観にいったライヴがすごく良くて、家に帰ってきても興奮冷めやらず、同じ気分のレコードを次々聴きまくっちゃう、そんな時ってないかい?
当店でもおなじみ、グレイトなビートバンド<ムーンライツ>を昨年惜しくも
脱退してしまった中村哲郎くんが新しく作ったバンド<セプテンバーズ>の
ライヴにこないだ行ったんだけど、その夜がまさにそんな感じだったんだ。
(photo by :Gottosson)
今回は僕がそのライヴ終了後の夜に思わず家で聴きまくっちゃった
セプテンバーズ気分のレコードをちょっと特集してみようかと思います。
ビシッとアーリィ60sなムーンライツに対して、ルーズな70sR&Rを鳴らしていたセプテンバーズ。
結果、ストーンズ発・ニューヨーク着、て感じの音楽旅行になりました。
※途中デトロイトに寄り道すんのは僕の趣味。9er’sからはさほどストゥージズは感じなかったんだけどね。でもまぁ、いいじゃん。
THE ROLLING STONES “STICKY FINGERS” [LP/UK] 2100円
THE ROLLING STONES “EXILE ON MAIN ST.” [LP/UK] 6800円
やはりこの2枚からスタート!70年代ストーンズの2大傑作であります。
いくらブライアンジョーンズ派の僕でもストーンズの最高傑作と問われれば
迷わず『メインストリートのならず者』を挙げます。
キースん家でじっくり煮込んだ濃厚なスープのごとき音楽。
※『メインストリート』の方はポストカードは有りませんが、なんとUKオリジナル盤
で入荷しました!!!
THE STOOGES “S/T” [LP/US] 5040円
THE STOOGES “FUN HOUSE” [LP/US] 2730円
ストーンズ流ルーズR&Rを魚眼レンズを通して見てみるとそこはデトロイトだった!
若きイギーポップとアシュトン兄弟のオリジナル・ストゥージズによる
泣く子も黙り、そして騒ぎ出す名盤1st&2ndです。
※1stの方はUSオリジナル・シュリンク付きにて入荷!!
MC5 “BACK IN THE USA” [LP/US] 5250円
70’sデトロイトR&Rのもうひとつの雄、MC5の2ndアルバム。
フリーキィな1stよりもFUNなロックンロール魂あふれるこの2ndの方が僕は好みです。
名曲”High School”収録。
※USオリジナル盤にて入荷!!
NEW YORK DOLLS “S/T” [LP/JPN] 1680円
NEW YORK DOLLS “TOO MUCH TOO SOON” [LP/JPN] 2100円
NEW YORK DOLLS “RED PATENT LEATHER” [LP/EU] 1890円
70年代初頭のデトロイトの熱気を受け継いだのがこのバンド。
ジャケもきまりすぎてる名盤1st(左)、シャングリラスのプロデューサーだったシャド
ウ・モートンを担ぎ出してくる、なんてアジな事したりカヴァーの選曲もイカして
て1st以上に愛すべき2nd(中)、そして75年パンク前夜の貴重なライヴ音源収録の仏FUN
CLUBから出た一応オフィシャルなライヴ盤(右)。
ライヴ盤のジャケに写る赤いレザージャケットを着せて話題を呼ぼうと仕掛けていたのが
この頃バンドのマネージャー的な立場にあったマルコム・マクラーレン。
そしてバンド解散後帰英したマルコムがドールズで出来なかった事をやろうと作りあげた
のがセックス・ピストルズってのはまた別の話。
DEAD BOYS “YOUNG LOUD AND SNOTTY” [LP/JPN] 2625円
パンクの世代でストゥージズ~ドールズの遺伝子を受け継いだのがこの愛すべき
ロックンローラー、スティーヴ・ベイターズ率いるデッド・ボーイズ。名盤1st。
※今回入荷したのは福岡のカメレオンレコードが限定復刻した時の盤。
めんたいロックファンはこの盤で聴くのが気分、じゃないですか?
THE HEARTBREAKERS “WHAT GOES AROUND…” [LP/US] 1680円
ドールズ解散後、ギターのジョニーサンダースが結成したのがハートブレイカーズ。
本作は’75年、まだリチャード・ヘルが在籍していた頃のオリジナル・ハートブレイカーズ
の貴重なライヴ音源をレコード化したもの。
ヘルの代表曲となる”Blank Generation”も演ってます。
ジャケ写、めちゃくちゃかっけー!
JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS “L.A.M.F.” [LP/UK] 2100円
JOHNNY THUNDERS & THE HEARTBREAKERS “D.T.K.” [LP/UK] 2100円
R.ヘルが抜けて完全にサンダースのバンドとなってリリースされた大名盤。
後に無数のフォロワーを生む、サンダースのヘロヘロ・ロックはもうホント最高っすな!
セプテンバーズの良さってジョニーサンダースに感じる良さとかなり近いと思いました。
ティーンエイジの為の音楽=ロックンロールを信じてて、ロマンチックなところ。
先日のライヴも”Born To Lose”カヴァーでスタートしてたっけ。
で、L.A.M.F.ときたらD.T.K.と続けるのがスジってもんでしょって感じでライヴ名作”D.T.K.も。
ぜひ2枚セットで聴いて欲しいです。
PRIMAL SCREAM “IVY IVY IVY” [12″/UK] 2100円
PRIMAL SCREAM “ROCKS” [12″/UK] 1260円
ジョニーサンダースのヘロヘロ・ルーズ・ロックンロールはハノイロックスとか
ドッグスダムールとか多くのフォロワーがいるけど現在最高のフォロワーは
プライマルのボビーでしょう。
それまでのキラメキギタポ路線から一転、ガレージR&Rバンドへ変貌した2ndからの
カット”Ivy Ivy Ivy”はストゥージズmeetsビーチボーイズなキャッチーなバースト
ナンバー。未だ人気曲ですよね。
70年代ストーンズ的ルーズでアーシィなR&Rを聴かせた4thアルバムの先行シングル
”Rocks”はロック系クラブ大定番曲。’94年、フロアはいつでもこの曲で大爆発してたなぁ。
*****
しかし、セプテンバーズ、良かったなぁ。
「ひどいですよ僕ら」とか「やる気ない」とか「単なるオ×ンコセッションバンドっすよ」
とか言いながらさぁすごい良いんだもん、憎いぜ。
特に、先日のライヴではラストに演奏された「虹色のレコード」という曲。
この曲を聴く為にライヴに通おうと心に決めたくなるようなスペシャルな1曲。
ムーンライツ時代に書き上げていながら結局、ムーンライツでは演奏される事は無かった
という幻の名曲。
この曲がほんと素晴らしくて!とんでもねー曲だぜありゃあ。
1人でも多くの人に聴かれるべき・届くべき、ロックンロールだったよ。
ライヴもあんまやんない、レコードも出てないバンドについてこんな書きまくって恐縮だけど
セプテンバーズ、みんなに聴いて欲しいんだよ!
でもねぇ、なんか次のライヴで解散?とかそんな噂もあるみたいなんで
この文章を読んで気になった方は次回のライヴ(5/13)は絶対見ておいた方が良いと思うよ。
(追記)
その解散ライヴでの「虹色のレコード」↓!!