アド・サム・ミュージック・トゥ・ユア・デイ
僕が行ったこともないくせにずっと憧れ続けているお店というのが
四谷にあったロック喫茶「ディスクチャート」と
南青山にあった輸入レコード店「パイドパイパー・ハウス」。
どちらも僕がその存在を知った時には残念ながら既にありませんでした。
でもそこで流れていた/売られていたであろうレコードを、
行った事も見た事もないお店の雰囲気を思い描きながら聴くのは
とても楽しいものです。
という訳で本日は僕の思う「ディスクチャート」や「パイドパイパーハウス」を
感じさせるレコード、を特集してみます。
THE FIFTH AVENUE BAND “S/T” [LP/US] 6090円
まずはやっぱりこれから始めるのがスジってもんでしょう。
若きピーター・ゴールウェイを中心とした6人のナイス・フォークスによる
60年代末のニューヨークの街角の音楽。永遠の名盤です。
ジャケットから伝わるこの雰囲気!ここに全てが集約されている気がします。
USオリジナル・カットアウトなど無しの状態良好盤が入荷しました。
THE CITY “NOW THAT EVERYTHING’S BEEN SAID” [LP/US] 3990円
『つづれおり』以前のキャロル・キングを中心としたトリオ唯一のアルバム。
それこそディスクチャートの頃は知る人ぞ知る「幻の名盤」だったはずですが、
いまではもう定番ですよね。
キャロル・キングは黄金期のアメリカンポップスを支えた大物ソングライターだった訳
だけど、こんなアマチュアリズムを感じるレコードを作っちゃったのが素晴らしいよなぁ。
きっと吉祥寺芽瑠璃堂で売られていたであろうこのモノクロジャケ版を吉祥寺ココナッツ
で買う、というのもなかなかオツでしょう?
DANNY KORTCHMAR “KOOTCH” [LP/US] 5040円
↑のシティの真ん中の伊達男。
JTとのフライングマシーンに始まり、シティ→ジョー・ママ→セクション、
と渡り歩いた粋でイナセなギタリストの傑作1stソロアルバム。
ソウルミュージックの影響を受けた白人SSWのレコードの最高峰です。
ナットキングコールの歌で知られるスタンダード”For Sentimental Reasons”を
こんなグルーヴィにアレンジするなんて!
GERRY GOFFIN “IT AIN’T EXACTLY ENTERTAINMENT” [LP/US] 7350円
ご存知キャロル・キングとのコンビで黄金のアメリカンポップスを支えた
偉大な作詞家の自演盤(’73年リリース)
ボブ・ディランに耽溺していたという激渋な味のあるヴォーカルを堪能できる
スワンプロック裏名盤&レア盤です。
もちろんUSアデルファイ・オリジナル盤での入荷です。
LAURA NYRO “THE FIRST SONGS” [LP/US] 3990円
今更何の説明も要らない記念すべきファーストアルバム!!
これも60年代末のニューヨークの街角の音楽。
ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY [LP/JPN] 5040円
若き山下達郎とそのポップス狂仲間たちの1972年の夏の記録。
ディスクチャート常連客だった達郎さんが長門さんにこれをプレゼントして、
ディスクチャートのスピーカーからビーチボーイズのカヴァー”WENDY”のイントロ
が流れたときに全ては始まった!
シュガーベイブ “SONGS” [LP/JPN] 5250円
ロック喫茶・ディスクチャート周辺の音楽的嗜好を形にした結果がこの日本ポップ史
にさん然と輝く超名盤、という風に捉えてみてもいいでしょうか。
全てが完璧、何千回と聴いても全く飽きることが無い、最高に”ロック”なアルバム。
「当時レコード店頭に並んでるの見たこと無い」と達郎さんがボヤいていらした(笑)
エレック・オリジナル盤での入荷。
SEVERIN BROWNE “S/T” [LP/US] 2625円
あのジャクスン・ブラウンの弟のファーストアルバム。
兄以上にこちらを評価する、というのが僕の思い描くパイドパイパーハウス派
リスナー、という感じです。
フリーソウルシーンでも大人気だったとんでもなくカッコいいグルーヴィ・フォーキー
”STAY”収録です。
DAVE FRISHBERG “OKLAHOMA TOAD” [LP/US] 10290円
ポップとジャズの中間に位置するような作品の良さについてよく知っている
のが僕の思い描くパイドな音楽愛好家、という感じ。
例えばボブ・ドロウやブロッサム・ディアリー、そして本作。
説明不要の大人気アイテム、ヴェリー・レアーなUSオリジナルにて奇跡の入荷です!!
MARK MURPHY “MARK ” [LP/US] 2625円
個性派ジャズシンガーの74年作のこれなんかもそんな”パイドな”一枚。
JTやローラ・ニーロなどジャズ色の濃い洗練されたSSWモノの流れで
評価できる傑作です。
ピチカート・ファイヴ “カップルズ” [LP/JPN] 6300円
ディスクチャートが生んだ名盤がシュガーベイブ『SONGS』なら、
パイドパイパーハウスが生んだ名盤はこれでしょう!
ジョンセバスチャンの素敵なカヴァー(日本語詞は長門芳郎さんによるもの)
でスタートする、ロジャー・ニコルスとバカラック&デヴィッドと筒美京平とブライアン・
ウィルソンと細野晴臣とニール・ヤングと大瀧詠一とニール・ヘフティとミシェル・
ルグランと村井邦彦への愛情がぎっしり詰まった永遠の名盤。
このアルバムを発表した頃のピチカートや小西さんの事についてもっともっと知りたい
とずっと思い続けてるんです。例えばライヴ映像などは残ってないんでしょうか。
アーティスト写真ですらあまり多くを見たことが無いです。
いつの日かソニー時代のフライヤーとかアートワークを集大成した本が出ることを期待
しています、小西さん!
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ココナッツディスク吉祥寺店もパイドみたいな店になるといいなぁ。
※ココナッツディスク吉祥寺店ではフィフィスアヴェニューバンドやピーターゴールウェイなどパイド系SSWものレコード、CD高価買取いたします!ぜひご利用ください!!