2015/2/24 火曜日

Second Royal Recordsの7インチシリーズ

先日アナウンスされたセカロイさんの7インチ2枚同発のニュースにとてもワクワクしています。
    
統一スリーヴを使用したシリーズ感のある仕様がとにかくたまらない。
ROUGH TRADEのSingles Clubシリーズとか、90年代初期のseminal TWANGとか、KINDERCOREの7インチシリーズとか、トラットリアのCDEPシリーズとか。ごく初期のURCのリリースなんかも加えてもいいかもしれない。
雑誌のように定期的に届く感じが良いですよね。願わくば毎月リリースしてほしいところです。

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シリーズ第1弾となるのは平賀さち枝&ホームカミングスとyogee new waves、という当店にとっても最高に嬉しいラインナップ。
ライターの田中亮太さんが各盤によせたテキストと共にご紹介します。


平賀さち枝とホームカミングス / 白い光の朝に / 江の島 [NEW 7inch/JPN] 1300円

“白い光の朝に”は、東京で活動するシンガーソングライター、平賀さち枝と、京都在住の4ピース・バンド、ホームカミングスが、昨年共作で世に出したシングルである。平賀による、日々の心の機微にひそむ鮮やかな軌道を可視化していくリリックが、ホームカミングスの十八番である、軽やかに弾むモータウン・ポップ的アンサンブルへと、どこまでもナチュラルに溶け込んだこの曲は、2014年のポップ・シーンが産んだ最良の奇跡だったと言っても過言ではないだろう。隣る人を通じて、移ろいゆく年月を嗅ぎ取り、喜びのみならずさびしさも含めて、生きていくことを祈るという眼差しは、平賀がバンドと比較して少しだけお姉さんだという自覚を公言していたことも加味され、非常に稀有な親密さが落とし込まれた名曲となった。

多くのリスナーが待ち望んだ今曲のアナログ盤が、この度遂に完成。しかも、Bサイドでは、シングル時には未収録、この盤だけのエクスクルーシヴ音源として、平賀の2012年作”江の島”が2者により新たに録音されている。”白い光の朝に”のリリース・ツアーにおいて、アンコールで披露されたことで記憶に焼き付いている方もいることだろう。オールドタイミーなスウィング感が醸されていたオリジナルVer.に対し、今回のコラボレーションではより軽妙、より躍動的に、瑞々しいインディ・アコースティック・ポップを展開。2000年代後半のアンタイ・フォークの勃興から昨今のマムフォード&サンズのブレイクの延長線上かのような、モダンなトラッドに仕立て上げることに成功している。

さらに、”白い光~”もCDとは、異なるミックス/マスタリングが新たに施されている。各楽器の音色から刺が省かれ、いっそうまろやかになった音像はアナログ盤で聴いてこそ。単なるCDシングルのアナログ盤化でない。このレコードは、平賀さち枝とホームカミングスにとって、ささやかに見えて実は確かな第2歩なのだ。
(text by 田中亮太)


Yogee New Waves / Fantasic Show / Climax Night [NEW 7inch/JPN] 1300円

ヨギー・ニュー・ウェーヴスは東京で活動する4人組のロック・バンドである。全員20代前半であるメンバーは以下のとおり。

角舘健悟(ヴォーカル)
松田光弘(ギター)
井上直紀(ベース)
粕谷哲司(ドラム)

彼らは昨年デビュー・アルバム『パライソ』を発表。浮遊感をもたらすバック・ビートと、艶のある歌声で、都会に暮らす若者のセンチメントを無頼に表現したダブ・ポップは、インディ・リスナーから支持されることとなった。今作『ファンタジック・ショー』は、彼らにとって初のアナログ盤となる7インチ。バンドが所属するレーベル、ロマン・レーベルと、京都のインディ・レーベル、セカンド・ロイヤルとの共同リリースである。

Aサイドに収録されたタイトル曲”ファンタジック・ショー”は、これまでの作品には収録されていない完全な新曲。BPM120の四つ打ち、綺麗に左右のステレオへと振り分けられたツイン・ギターのカッティング、まぎれもなくバンド史上最も明確にダンスフロアで開花することを志向した1曲だろう。”ゲット・ラッキー”、”トレジャー”、”アップタウン・ファンク”と猛威を振るうディスコ・ファンクの嵐へと、バンドは果敢にも飛び込んだ。そして、その決死のダイヴは、見事にミラーボールの下へと着地を果たしている。最初「身体は海のように揺れて」いて、ピークタイムにさしかかっては「今夜は眠れないよ」と雄叫びを上げ、終わるかと思いきや、アフターアワーズ的なもう一踊りを煽ってくるこの曲は、5分12秒で一晩の幸福な景色を語りきった。まぎれもなく2015年のパーティ・アンセムだ。

そして、Bサイドにはファースト・シングルにして、これまでバンドの代表曲であった”クライマックス・ナイト”。かつて起こった最高潮の夜を優しいメランコリーとともに振り返るこの曲を、”ファンタジック・ショー”の裏面に配したのは実に粋な選択だ。華やかに光が交差するフロア、あるいは、ささやかに灯火が揺らめくベッドルーム。いずれにせよ、このレコードは、多くの午前2時に寄り添うこととなるだろう。
(text by 田中亮太)

2枚とも3/4発売。前日の3/3には店頭出しできるかと思います。ご予約も受け付けておりますのでぜひ。

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この2枚以降のリリースは一体どんなラインナップが予定されているのか興味はつきません。とても楽しみです。

Filed under: 入荷[new] — coconutsdisk kichijoji @ 14:19:38

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